RPA TASK SELECTION

RPAの対象業務の選び方とは?
選定基準と自動化の優先順位を解説

RPAを導入するときに、最初に悩みやすいのが「どの業務を自動化するか」です。

社内には入力・転記・集計・ダウンロード・確認など多くの業務がありますが、すべてを同じ優先順位でRPA化する必要はありません。RPAの効果を出しやすくするには、候補となる業務を洗い出し、作業時間、発生頻度、繰り返し回数、待ち時間、実行する時間帯、判断の複雑さなどを比較して、自動化する業務の優先順位を決めることが重要です。

例えば、1回の作業時間は短くても毎日何十回も繰り返す業務や、処理そのものよりシステムの完了待ちに時間を取られる業務、深夜・休日に人が対応している業務は、自動化を検討する価値が高くなる場合があります。

このページでは、RPAの対象業務を選定する際の基準、自動化候補の洗い出し方、優先順位の付け方を、売上日報作成の具体例を交えながら解説します。

SELECT BY PRIORITY

RPAの対象業務は「向いているか」だけでなく優先順位で選ぶ

RPAに向いている業務が複数見つかっても、そのすべてを一度に自動化する必要はありません。

限られた時間や人員の中でRPAを展開するなら、「RPAでできるか」だけでなく、「どの業務を先に自動化すると効果が大きいか」を考えることが重要です。対象業務を選ぶときは、自動化したときの効果と自動化のしやすさの両方を比較します。

「RPAでできる業務」ではなく、「RPAで先にやる価値がある業務」を選ぶ。

6 SELECTION CRITERIA

RPAの対象業務を選定する6つの基準

RPAの対象業務を選定するときは、一つの条件だけで判断するのではなく、複数の項目を組み合わせて比較します。特に確認したいのが次の6つです。

LOOK BEYOND WORK TIME

作業時間だけでRPAの対象業務を選ばない

「1回の作業時間が長い業務」を探すだけでは、RPA化による効果を正しく比較できないことがあります。対象業務を選定するときは、1回の作業時間だけでなく、回数・待ち時間・作業時間帯まで含めた人の拘束時間を見ることが重要です。

FIND AUTOMATION CANDIDATES

RPAの自動化候補を洗い出す方法

最初から「どの業務をRPA化するか」を決めるのではなく、まずは社内で行っている業務を一覧にして、候補を比較できる状態にします。この段階ではRPA化できるかを細かく判断するより、人がどの作業にどれだけ時間を使っているかを把握することが重要です。

RPAの自動化対象業務を洗い出して選定する流れ
社内業務を洗い出し、時間・頻度・繰り返し・待ち時間・実行時間帯などを確認して自動化候補を整理する流れ
感覚で選ばず、まずは業務を見える化する。

PRIORITIZE AUTOMATION

RPAで自動化する業務の優先順位を決める

自動化候補を洗い出したら、次に「どれから取り組むか」を決めます。判断しやすくするために、候補業務を「自動化したときの効果」と「自動化しやすさ」の2軸で比較します。

評価項目 優先度が高くなりやすい 慎重に検討
作業時間 長い 短い
発生頻度 毎日・毎週 年に数回
繰り返し 多い 少ない
待ち時間 多い ほとんどない
実行時間 夜間・休日を含む 通常時間帯のみ
手順 明確 頻繁に変わる
判断 少ない 多い
例外 少ない 多い

重要なのは、単純にチェックの数が多い業務を機械的に選ぶことではありません。効果が大きく、かつ自動化しやすい業務を最初の対象にすることで、RPA導入初期の成果を確認しやすくなります。

RPA対象業務を効果と自動化しやすさで比較する優先順位マトリクス
RPAの候補業務を「効果」と「自動化しやすさ」の2軸で比較し、優先順位を整理するマトリクス
「できるか」だけでなく、「効果」と「自動化しやすさ」の両方で選ぶ。

SELECTION EXAMPLE

売上日報作成を例にRPAの対象業務を選定する

売上日報作成を例にすると、日報そのものを作る時間だけでなく、売上が締まったかを確認する、ダウンロード完了を待つ、店舗数だけ同じ処理を繰り返す、深夜・土日に対応するといった負担もあります。

業務を工程ごとに分解して選定基準へ当てはめると、「なぜこの業務を自動化候補として検討するのか」を説明しやすくなります。

選定基準 売上日報作成の評価例 評価理由
作業時間 高い 複数店舗分の処理が必要になる。
発生頻度 高い 店舗営業日に継続して発生する。
繰り返し 高い 店舗ごとに同様の処理を繰り返す。
待ち時間 高い 売上締めやデータ出力の完了を待つ。
夜間・休日 高い 店舗の営業時間によって深夜や土日の対応が発生する。
判断・例外 要確認 実際の手順や例外ケースを担当者へ確認する。
売上日報作成をRPA対象業務の選定基準で評価する例
売上日報作成の工程を分解し、作業時間・発生頻度・繰り返し・待ち時間・夜間休日・判断の有無で評価する例
業務を分解すると、「なぜRPA化を検討するのか」が見えてくる。

LOWER PRIORITY TASKS

最初のRPA対象として慎重に検討したい業務

RPAで技術的に自動化できる業務でも、最初の対象として優先するとは限りません。次のような業務は、自動化範囲を絞る、手順を整理する、後の段階で検討するといった判断も必要です。

COMMON MISTAKES

RPA対象業務の選定でよくある失敗

TASK SELECTION CHECKLIST

RPA対象業務を選定するときのチェックリスト

候補業務を比較するときは、同じ項目で確認すると優先順位を整理しやすくなります。次の項目を業務ごとに記録してみてください。

チェック項目 確認する内容
作業時間 1回の処理にどのくらい時間がかかるか。
頻度 毎日・毎週・毎月、どの程度の頻度で行うか。
件数 1回または1日に何件処理するか。
繰り返し 同じ操作を何度も行っているか。
待ち時間 システム処理やデータ出力などを人が待っているか。
時間帯 深夜・早朝・休日に作業しているか。
手順 業務手順が明確になっているか。
判断 人による複雑な判断がどの程度あるか。
例外 標準処理から外れるケースがどの程度あるか。
削減効果 自動化後に人の時間を別の業務へ回せるか。
チェック数だけで機械的に決めず、最後は「効果 × 自動化しやすさ」で判断する。

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FAQ

RPAの対象業務選定に関するよくある質問

最初に自動化する業務、選定基準、優先順位、判断が必要な業務など、RPAの対象業務を選ぶときによくある疑問をまとめました。

RPAの対象業務はどう選べばよいですか?
作業時間、発生頻度、繰り返し回数、待ち時間、実行時間帯、判断や例外の多さなどを確認し、自動化したときの効果と自動化しやすさの両方から比較します。
RPAで最初に自動化する業務は何がよいですか?
削減できる工数が大きく、手順が明確で、判断や例外が少ない業務から検討すると効果を確認しやすくなります。
RPAの対象業務を選ぶ基準は何ですか?
作業時間、頻度、繰り返し、待ち時間、夜間・休日対応、判断や例外の多さなどが主な選定基準です。
作業時間が短い業務でもRPA化する意味はありますか?
あります。1回の作業時間が短くても、1日に何十回も繰り返す場合は、合計すると大きな工数になることがあります。
夜間や休日に行う業務はRPA化の対象になりますか?
手順が定型化されており、実行環境や対象システムを利用できる場合は、自動化候補として検討できます。
判断が必要な業務もRPA化できますか?
条件が明確であれば対応できる場合がありますが、判断や例外が多いほどロボットは複雑になりやすいため、最初の対象としては慎重に検討します。
RPA化する業務の優先順位はどう決めますか?
自動化した場合の効果と、自動化しやすさの2軸で候補業務を比較すると整理しやすくなります。
自動化候補が多い場合はどこから始めればよいですか?
効果が大きく、自動化しやすい業務から小さく始め、実際の効果を確認したうえで次の候補へ広げる方法があります。

SUMMARY

まとめ|RPAの対象業務は「効果」と「自動化しやすさ」で選定する

RPAの対象業務を選定するときは、「RPAで操作できるか」だけで判断するのではなく、自動化したときにどれだけ効果があるかまで考えることが重要です。

作業時間が長い、頻度が高い、同じ操作を繰り返す、待ち時間が多い、深夜や休日に作業しているといった業務は、RPA化によって人の拘束時間を減らせる可能性があります。

一方で、判断や例外が多い、業務手順が頻繁に変わるといった場合は、自動化しやすさも確認する必要があります。複数の候補業務を、「効果の大きさ」と「自動化しやすさ」の2軸で比較し、効果が大きく自動化しやすい業務から優先して取り組むことがポイントです。

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